代表紹介

代表取締役 CFA

宮下 修みやした おさむ

CFA協会認定証券アナリスト
TOC-ICO認定 Jonah

  • 早稲田大学政治経済学部卒
  • CASSビジネススクールMBA in Finance (イギリス)
  • コンスタンツ大学経済統計学部修士課程(ドイツ)

野村総合研究所入社(1989年)。大手企業向け財務アドバイザーリー業務に従事した。 スタンスチュワートにおいて日本人初のEVA®コンサルタントとして、花王にEVA®経営システムの導入を行った。 その後、メリルリンチ証券等で投資銀行業務を経た後、2005年よりジェイ・フェニックス・リサーチに参画した。

株主価値の理論に基づく体系的なアドバイスで多数の上場企業(サンリオ、RIZAP、KITO、ADワークス、Mipox等)の時価総額の拡大に貢献した。 2009年より代表取締役。2013-2016年UTグループの上席執行役員兼務し、中期経営計画の策定と実行を支援し株価を4倍に引上げる。

略歴

1989年 野村総合研究所入社。経済調査部、資本市場調査部にて資本市場規制、金融機関戦略、金融イノベーション等の調査に従事
1993年 社内留学生としてシティー大学(ロンドン)ビジネススクールにてMBA(ファイナンス専攻)取得
1994年 社内留学生としてドイツ・コンスタンツ大学経済統計学部にて修士号取得(Lizentiat)
1995年 野村総合研究所証券調査本部にてグローバルアセットアロケーション戦略の構築に従事
1996年 野村総合研究所企業財務調査室にて野村證券の事業法人顧客に対して財務アドバイザリー業務に従事
1999年 スターンスチュワート東京支店入社。日本人初のEVAコンサルタントとして、EVA(経済付加価値)経営システム導入プロジェクトに従事
2001年 メリルリンチ証券会社入社。投資銀行部門にて、M&A、株式引受、財務アドバイザリー業務、格付けアドバイス、IRコンサルティング業務等に従事
2004年 AIGコーポレート・ソリューションズ゙・インクに入社。証券訴訟および、M&Aに起因するリスクに対するリスクマネジメント商品の開発、マーケティングに従事
2005年 取締役パートナーとしてジェイフェニックスリサーチ入社。
2009年 ジェイフェニックスリサーチ 代表取締役に就任

主要論文

1991年4月号 財界観測・優先株
1992年7月号 財界観測・変貌するドイツのユニバーサルバンク
1998年6月号 財界観測・市場型ガバナンス実践への視座-ROE、EVAを超えて
"“A Comparison of Ownership and Corporate Control ? Japan and Germany Compared”, ifo japan studienstelle, ifo Institute fuer Wirtschaftsforschung, 06/95"
"“Efficiency Across Frontiers”, Risk, Vol. 7, 10/94"
1999年1月号 財界観測・米国大企業の財務管理~歴史的、実務的視点からの考察

代表あいさつ

貴社の資本コストはいくらですか?

と聞かれて、自信をもって即答できる上場企業トップはどれほど日本にいるのでしょうか?株主価値、企業価値という言葉は、我が国においても少なくとも認識はされるようなったと思われます。しかし、どこか株主価値、企業価値は別の世界のことで部下任せにしていることはないでしょうか?

資本コストを知らない経営者は、お金の仕入れ値を知らないで事業をしているようなものです。取引相手に対して適正な取引価格を提示せずに取引することはありません。また、従業員には適正な賃金を提示しない限り雇うことはできません。それと同じように、経済合理性からすれば、適正な資本コストを理解しないで株主とコミュニケーション(インベスターズリレーション)をすることは本質的にはあってはならないことです。

資本コストにはもう一つ極めて重要な意味があります。それは、企業の価値創造力を図る、グローバルな共通の「物差し」ということです。どんなに素晴らしい自動車や半導体を作っても、長期的に見て資本コストを上回るリターンをあげていないければ、企業価値創造というグローバルな通信簿でいえば落第点をとっていることになります。しかし、そもそも資本コストを経営トップが知らなければ、自社が落第点なのかどうかさえ知らないことになります。そのようなことは社会の公器である上場企業として許されるわけではないと考えるべきではないでしょうか?

日本の製造業の財務パーフォーマンスは通信簿で『オール1』?

と言われれば、びっくりする方が大半だと思います。わたくしも実際に調べて本当かと何度も確認しました。信じたいとは思いませんが、実際に調べるとこれが事実であると受け入れざえるをえません。21世紀に入ってからの日本を代表する自動車、エレクトロニクス、鉄鋼、化学の4セクターにおいて、欧州、北米、台湾、韓国と比較すると、驚くべきことに、平均的にみれば、「成長性」、「収益性」、「資産効率性」、「株価リターン」のすべてにおいてほぼ最下位のパフォーマンスとなっているのです。厳しい言い方をすれば、ほぼ「オール1」状態であることを認識しなければなりません。

追い打ちをかけるようですが、さらにショックな事実があります。日本の製造業はあまりにも、自動車、エレクトロニクス、鉄鋼、化学の4セクターに偏りすぎているということです。米国や欧州では、ヘルスケア、家庭用品、化粧品、バイオテクノロジーや食品などでグローバルに競争力のある企業が数多くあります。リーマンショックで米国の自動車の問題が騒がれましたが、国民経済に占めるウェートははるかに低く、経済全体からすればバランスが取れているためショックへの吸収力があります。ヘルスケア、バイオなどの次世代の成長分野のウェートが低い日本経済は業界構造転換という意味で欧米に遅れをとっているといえます。

このような状態になぜ陥ってしまったのでしょうか?様々な要因があるかと思いますが、これはそもそも自分たちが最低どの程度のキャッシュフロー、利益を出さないと落第点をとるのか、という危機感がないことも大きな要因になっていないでしょうか?落第しそうになれば、普通はもっと勉強しようと努力するか、または勉強の仕方を変えるのが常ですが、そもそも落第しそうかどうかもわからないのでは、そのような努力をする気持ちも生まれず、惰性で勉強の仕方を変えないで過ごしてしまうかもしれなません。いまの日本企業はひょっとしてそんな状態ではないでしょうか?

経営者がなすべきことは、激変する経済環境下において、継続的に利益・キャッシュを生み出す仕組みを構築することであり、また、株主、投資家が企業に求めていることは、継続的な繁栄により企業価値、株主価値が向上することであります。戦後の日本経済において、少なくとも、1980年代までは、日本企業は株主に対してその責務を果たしていたと考えられます。しかし、残念ながら21世紀において、その責務を日本企業は平均的に見れば果たしているとは言い難い状態ととなっています。

この状態から脱するためには、まずは自社の資本コストがいくらなのか、そのコストがどのような要因で変動するのか理解したうえで、株主、投資家がどのような点を評価するのか真摯な気持ちで分析することが重要です。そのうえでこれまで自社がどの程度の企業価値を創造していたのか、グローバルな競合他社はどうであったのか分析することが求められます。 そして、落第点をとっているのであれば、もっと勉強するか、または勉強方法をかえなければならない、すなわち、「事業の仕方、仕組みを変えていかなければならない」、「一層の集中と選択を進めていかなければならない」、「事業構造転換をはからなければならない」、と考えるべきだといえます。 多くの日本企業は過去の成功体験の惰性ではない新たな企業価値創造の仕組みを構築していかなければならないステージに立っていると認識すべきではないでしょうか?

資本コストの本質的な意味を知らない経営者は、プロではない

と言えば多くの方は反発をするかも知れません。しかし、グローバルな競争を生き残るためには、それを事実として受け止めてほしいと私は考えます。20年以上の間、資本市場調査、経営コンサルティング、投資銀行業務、証券アナリスト等、幅広く証券市場と企業経営を橋渡しをいかに円滑に行うのかという視点で仕事に携わって参りました。そのときにまず出発点となったのは、各企業にとって資本コストがいくらなのかという視点です。長年の分析により、資本コストは、実は、企業価値の創造力の鏡であると私は考えます。すなわち、経済学的に見て経営戦略が明確で、戦略を実現するオペレーションの仕組みが確立され、需要や競争環境の変動に対しても安定的に対応できる企業であればあるほど、資本コストが低くなるという関係があるといえます。もちろんそのような企業は利益、キャッシュフロー創出力も大きくなります。企業価値は将来のキャッシュフローを資本コストで割り引いた数値であるため、そのような企業はそもそもキャッシュフローが大きい上に割引率も低くなるため、きわめて大きな企業価値を創造することになるわけです。

ジェイ・フェニックス・リサーチでは、本質的なキャッシュフロー創出力の分析と資本コストの分析の双方について有機的整合的に分析するノウハウをもって、情報提供、アドバイスを行います。そして上場企業経営者に対して、グローバルで見て通信簿でいくつなのか、日本人だろうが、外人だろうが、誰が見ても納得のいくグローバルな共通概念を用いて分析を提供します。そのうえで、事業の仕方を変えるべきなのか、幅広いビジネスモデルを様々な業界において分析したノウハウをもって示唆を与え、グローバルな視点で投資家、株主から評価される企業とはどのような企業なのかを示し、経営者と投資家のコミュニケーションの橋渡しを実現します。そして、不確実性が高まるグローバルな競争環境において適切な羅針盤を提供し、日本企業のグローバルな地位向上のために貢献するために、理論的、実践的な視点で精進していくことを社是といたします。

そして、その社是を実現するために、以下に示したように企業価値の創造及び認知の全てのプロセスにわたって一流のサービスを提供いたします。