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JPRレポート

日本における微細藻エネルギー産業育成にむけて

夜明け前の次世代革命的新産業について出遅れている日本は何をすべきか?

  • 微細藻を利用したエネルギー産業がエネルギー革命の切り札として急速に注目されてきています。
  • ベンチャー企業へ、昨年来、ビルゲイツ氏による90億円投資、エクソンモービル社の540億円投資がなされるなど、特に米国において商業化の動きが加速しています。
  • 地球上の化石燃料は、そもそも原始的生物である微細藻が、数十億年かけて太陽エネルギーを変換し蓄積してきたものです。
  • この歴史を人工再現する試みがこの数年で現実になろうとしています。
  • 公開している微細藻エネルギー・ベンチャーPetroAlgae社は、売上ゼロだが1,500億円ほどの時価総額で評価されています。微細藻エネルギーに対する投資家の強い期待が反映されていると言えます。
  • 葉・茎・根の生成を行わず、光合成を生命活動の中心とする微細藻は、種類によっては太陽エネルギーの燃料への変換生産性においてとうもろこしや大豆の数100倍の効率性を持ちます。
  • さらに、以下の特徴を持つ微細藻エネルギー産業は、環境問題及び社会的意義から見て人類社会にとって革命的変化を起こす可能性を秘めています。
    • 高いCO2削減効果:光合成によるCO2消費量が微細藻は他の植物よりもはるかに大きい
    • 少ない水源制約:微細藻は海水・汚水で育成可能
    • 少ない食料生産との競合:食料生育困難な場所で培養可能・限界的土地利用促進
    • 食料生産力増加への寄与:エネルギー抽出後の微細藻活用による食料生産増大
    • 石油産業設備が流用可能:流通網整備に大規模投資が必要なく迅速な普及が可能
    • 多大な雇用創出力:エネルギー・食料産業を中心に幅広い雇用創出力が期待
  • 大規模商業化の最先端を走っているのは、米国とイスラエルのベンチャー企業です。約5年以内には商業化される見通しで、成功した企業は、数兆円規模の企業価値を生む可能性を持ちます。
  • 日本でも研究は着実に盛んになり商業化の萌芽も見られます。
  • しかし、屋内施設や小規模野外施設での実績にとどまり、米国やイスラエルの最先端企業において、大規模資金の投入による大規模商業化計画に向けた動きが本格化していることから比較するとかなり遅れている状況です。 
  • 数十年かかった純粋研究のフェーズは終わり、現在は残り5年ほどの大規模商業化フェーズにあります。
  • このような時期においてはビジネスモデルの工夫次第では、最先端ベンチャー企業と連携しレースの遅れを一気に挽回することは十分に可能です。 
  • 1990年代以降、日本は革命的技術の商品開発でリードしながらも、自前主義固執等による事業拡大速度の遅れから、大規模商業化では、他国に多くの果実を奪われてきました。
  • 自前主義に固執することなく、微細藻エネルギー産業世界における最先端の成果を速かに吸収し、商業化について産官学が一体となって迅速に取り組むことが、次世代の革命的な産業において日本が世界からの遅れを取り戻すためには不可欠といえます

 

詳細は以下のレポートをご参照ください。

 微細藻エネルギー革命20100228.pdf(2,292.4KB)

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〜藻から石油とオメガ3〜農林水産省委託調査方向書掲載

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